芸術村を囲む山々がだんだんと鮮やかな色に染まっていくのを眺めて
いるうちに、 駒ケ岳にとうとう初雪が降りました。
10月も駆け足で過ぎてしまいましたが、養成所研究生は
様々なイベントへの参加で大忙しのひと月でした。
まず、10月8日には、2年生が秋田市で行われた「文楽」鑑賞に。
演目は「曽根崎心中」。太夫の語りと人形の動きが作り出す人間の
細やかな感情に思わずため息が漏れたひと時でした。
10月12日は国民文化祭の一環としてわらび劇場で「青少年民俗芸能の
祭典」が開かれ、被災地の福島、宮城、岩手の 5団体をはじめ、
山形の見事な「ちびっこ花笠踊り」、青森の総勢二十数人の大迫力の
「津軽三味線」、
3団体の皆さんの
芸能に満席のお客様
からは何度も何度も
大きな拍手が
送られていました。
講師、研究生もスタッフの一員として出演者の皆さんのお世話をしながら、
震災を乗り越えて新たな命を吹き込まれた芸能の数々に背中を押される思い
で見入っていました。
芸能が被災地の皆さんの心のよりどころになっていることが、口々に語られ
ていました。
福島浪江町の「請戸田植え踊り」の皆さんは県内や東京など避難されている
ところから数時間もバスに乗って駆けつけてくださいました。
その中で一番小さな踊り子さんは震災後に生まれた3歳の女の子でした。
前日のリハーサルでは気が乗らなかったのか、途中で踊りをやめていました
が、本番では見事に踊りきっていました。
芸能や踊りが何の為に生まれ、誰に向かって踊られるのかを改めて教えられ
た1日でした。
出演してくださった皆さん、本当にありがとうございました。