出陣の太鼓が鳴り響く三島城。
陶晴賢率いる軍船が、大崎下島近くにおよそ二百艘が攻め来ている。
警固所(けごしょ)を守る来島水軍は、奮戦のすえ大三島の台(うてな)の浜まで追い返した。
安房は声をあげる「何としても大三島を守る、のろしをあげよ。太鼓を叩け!出陣だ」
鶴「兄上、お待ち下さい。闘うしかすべはないのでしょうか。三島大明神を奉る三島水軍が、この海を流血で汚してはなりません。」
安房「今闘わなければならない、手をこまねいているわけにはいかない。」
と、激しい問答のすえ出陣。
クロタカも安房について行く。
鶴は龍神に問う
「龍神様は海の平和を守れというのに、兄達は平和のためと言って出かけました。いくら平和の為といえ、殺し合いは殺し合い、どうすればよいのでしょう。」
龍神は応える(ミュージックNo.9)
目を覚ます時が来た
血に飢えた人間どもよ
憎しみの刃を捨てる勇気をもたぬ限り
争いの炎は決して消えはしない
相手が憎しみの刃振り上げても
憎しみの刃で返してはならない
他に手だてがあるはすじゃ
場面は戦場になる。
二つに分かれた台(船にもみえる)がグルグルとまわり、台のあいだから水軍兵士が飛び出し、斬り合う。
あるいは、台(ふね)から飛びおり闘う。
中央では、別の次元で鶴が龍神の分身にこれで良いのかと怒りの激しさに迫られている。
ここの場面は重層して見ごたえあり!
あーっ、安房に敵の矢が!!!
今起こっている戦争をしている国々。
このような憎しみが憎しみを生んで暴動と報道されている民族間の争いをとめる手だてはどこにある・・・?
そんな事と重なっしまう場面だ。
憎しみの連鎖、鎖を断ち切ったらどんなに素晴らしい事か。
坊っちゃん劇場、只今、三代目クロタカさんの入れ替え稽古。
公演前に、そして公演後も稽古ふる稼動です。
みんな元気です。