カモメが去って、鶴がひとり。
そこへクロタカが駆け込んで来る。
敵が大内の軍船百隻以上大崎下島に停泊、日が暮れて一気に襲ってくる気配。
敵を大三島に近づけないよう、今のうちに迎え討つのが得策と進言。
クロタカ自身が指揮をとることを申しでる。
鶴は…考えている。
クロタカは、鶴が自分で指揮をとると思い込み、
「鶴姫様自ら行かれるのは危険すぎる。」
いや、鶴は和睦を考えていると言う。
「兄を殺された怒り、無念を晴らしたい気もある。だか考えてみよ。憎しみの刃に憎しみの刃を振り上げたら、戦はいつまでも続く。さすれば罪のない者たちの苦しみも長引く。ここは憎しみをいったん脇に起き、敵と話し合うべきだと思う。」
思いっきった決断にクロタカは、他の者達の反対はあるやもしれないが、どんな時でも鶴姫の味方。たとえ仲間の三島水軍すべてを敵にまわそうともささえると。
鶴姫は和睦が叶い、この海に平和が戻ったら褒美をつかわすとクロタカにいう。
この褒美とは、鶴とクロタカの祝言。
鶴はクロタカと夫婦になりたいと思っている。早く「つる」と呼んでほしいと。
これを受けてクロタカは、「つる」と愛をこめて呼ぶ。
鶴はクロタカの胸に飛び込んでいく。
ミュージカルナンバー『絆』を歌い踊る。
♪なぜなの 震えてる 二人とも
息が止まりそうだ うれしくて
こんな幸せ あきらめていたの
つのるいとしさを 隠し続けてた
まるで夢のようだ
今 共に見つめよう 明日の夜明けを
まだ暗く 光はささない
でも ためらいはない 二人なら
進もう 振り返らずに
けして恐れはしない 二人なら
心を結んだ絆 愛の絆は永遠(とわ)に
クロタカは行く、鶴の名代として大内のもとへ。
「必ず吉報を持って帰る。待っていてくれ、鶴」
今回のゲストは、龍神役・丸山有子さんです!
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みな様ご無沙汰しております。丸山有子です。
「我が輩は狸である」の作品以来、二回目の坊っちゃん劇場出演中です。といっても、あと残すところ数ステージとなりました。
愛媛の山と海から沢山のエネルギーを頂き演じてきた龍神様。
あのゴンドラの上で気持ちよく歌う事もわずかとなり、さびしさが募っております。
でも私には次の旅が待っています。
ミュージカル「おくのほそ道」。
去年一年間、秋田のわらび劇場で上演した作品が、いよいよ秋から全国公演。
新しいアンサンブルで、作品を充実させます。
今は毎日の舞台、悔いの残らぬよう演じつつ、次の龍神様にうつしをしつつ、「おくのほそ道」の準備をしつつ、そして坊っちゃん劇場でのロビーパフォーマンスの出し物(中山城治さんとの歌)の稽古と、充実した日々をおくってまーす。