大あくびをしている大内義隆を追って、陶晴賢登場。
陶「御屋形様、これは大事な話にございます」
大内「晴賢、うるさいぞ。予は、昨夜ろくに眠っておらんのじゃ。北の方と東の方との引っ張りダコであっちへこっちへと大変だったのだ」
天下に名を轟かす大内氏は、本妻と側室で嘆いている。
すかさず
大内「いっそタコなら良いのにな、足が八本ある。」
陶「その足を伊予へと伸ばしては、如何なものでしょう。」
大内「いいおなごがいるかね?」
陶「いいえ、伊予の河野家を討って、本命大三島の大祝家を攻める。(色々と策をねる陶)御屋形様、ご決断を!」
大内「大三島には確か、勇ましい鶴姫がいると聞いた。それに、美しいとも聞いた。」
陶「御屋形様…のらりくらりと、タコ坊主め」
退場。
なんともチグハグだがそれぞれの野望が働いている。
さてステージでは舞台部さんの仕込み。
役者は近くの公民館をお借りしての稽古、いきなり振り付け稽古だー。
あの苦心した部分・・・前半はそのまま、(エッ、振り付け変えるはず)急いで思いだす。
よし思いだした。
次から新しい振り付けだ。
意外と早く覚えられる。いいぞこの調子で行けー!
以前の振り付けとは違っているのに・・・それは振りが、日本的な部分があるからだ。
腰の下げ具合、扇子を使ったりして、身体に馴染みの要素があるからだ。
それでいて新鮮。
この振り付けは、刀で斬り合いをしないのだ。
その事は、何故だか後に触れる。
実は、稽古場は此処だけではなく、近くの集会所もお借りしている。
毎回移動するのです。
太鼓、小道具、音響機材をそのつど運ばなければならない。
役者より先に、そして次をうまく進める為に、遅くまで打ち合わせをしてくれた演出助手、音楽助手、振り付け助手の方々の奮闘が輝る。
もちろん役者も運びます。
みんなの車に積み込み、民族の大移動!(なんか古い言葉だなぁ)
そんなこんなで。
大内氏ではないが、公民館、集会所と行ったり来たり入れ替わりなのだ。
ここ愛媛の稽古は、熱を帯びている。
外は梅、桜も咲いていました。3月中旬の頃です!